病気で入院した親友の看病をした時

ある夜親友から、「下腹部が痛くて動けない」と連絡があり、急いで親友宅に向かうと、顔面蒼白で衰弱しきった親友の姿がありました。夜間受付をしている病院に何軒も問い合わせても、受け入れを断られ、仕方なく翌日朝一で近くの病院に連れて行くことに。診察の結果、緊急入院。親友の親族は遠く離れた地方にいるので、私が看病することになりました。身近な人の入院を目の当たりにしたのも、入院中の世話をするのも初めての事でした。ショックで涙ぐみましたし、正直、病気や入院のことを信じられませんでした。気持ちがついてこないまま、まずは病院側の指示に従い、入院手続きを済ませ、急いで友人の着替え衣服や泊まり用のセットなどを取りに行きました。この頃には、私は次のことを考えていました。くよくよしていないで、支える側の私は気を確かに振る舞おう。できることは積極的にして、とにかく親友に早く良くなって欲しいと。翌日から、毎日仕事帰りに、着替えの交換や親友の様子を伺い病院に行きました。

病気が進行していることはありませんでしたが、親友はみるみる弱っていきました。精神的にです。本人の気持ちは元気で、体調のいい時は外に出たいのに、何もない病室に閉じ込められ寝たきりを強いられたからです。勿論、それは医学的に根拠のある医師の判断の元の管理でしたが、見ている側としても本当に可哀想でした。病院食も、いかにも自分は病人なんだと思わされる質素で少ない内容で、「病院に病気にされる」と本人は終始滅入っている状態でした。幸いにも、入院は長期には及ばずに退院できましたが、本人も私も二度と入院は嫌だと心底思ったものです。がんの治療法の本を読んだり乳がんをはじめ婦人科検診の大切さを痛感しました。

私からできるアドバイスとしては、ありがちな話ですが暇つぶしになる物や気分転換になるものが必須です。携帯やパソコンは基本的には使用できません。本やクロスワードなど、趣味に合わせて何か持ち込むべきです。

加えて、女性は身だしなみやメイク道具などがあると全然違うようです。入院中の親友にメイク道具を届けてあげると非常に喜んでいて、次に面会に来た時はメイクをきちっとして表情も気持ちも元気なっていたのを覚えています。入院は、体調も勿論ですが、正直精神的な闘いです。本人の気持ちが死んでしまわないように努力工夫することが、支える側の最も大事な務めだと私は痛感しました。